白砂漠ツアー(エジプト)の体験記①黒砂漠・クリスタルマウンテン・砂丘

エジプト

今回のエジプト旅行の目玉、白砂漠ツアーです。親日なガイドさんについてもらっての1泊2日のプライベートツアー。ピラミッドなど人が造った遺跡とはまた違う、自然が造った美しさ。地球を感じる体験でした。

白砂漠ツアーとは

カイロの南西部の砂漠をまわるツアーです。

  • 1泊2日のプライベートツアー(Dessert Safari Home)に参加
  • ドライバー・ガイド付き、テント泊
  • 1日目昼夜・2日目朝昼付きで2名32,869円+カイロ送迎USD120

TripAdvisorを見ると、似たような現地ツアーをいくつも見つけられるでしょう。その中でも評価がひときわ高く、日本語の口コミもたくさんあった Dessert Safari Home という会社を選びました。

白砂漠ツアーの体験記|カイロ〜バハレイヤ・オアシス

ツアーの出発地点はカイロから車で4時間ほどの場所。バスで行ったりできるみたいですが、大変そうなので宿泊していたMarriott Mena Houseからの送迎をお願いしました。往復120ドルです。

集合時間は朝7時。しかし、ピラミッドを眺めながらの朝ごはんをど〜しても体験したかったので、8時出発に時間変更をお願いしました。プライベートなのでこの辺の融通はめちゃ効きます。なーんもない車道を永遠走る。

途中で立ち寄ったコンビニ。種類豊富なお菓子と、汚めなトイレがありました。

白砂漠ツアーの体験記|1日目のランチ

カイロを出てから4時間半ほど、Desert Safari Home というホテルに到着。今回のツアーのガイドさんが経営するホテルです。ここがガイドさんと合流して、ランチもいただきました。

ランチはお庭で。この旅行で最もフォトジェニックな場所でした。ガイドさんの弟や子供が4人ほどいて(2〜10歳くらい)、遊んでもらったり写真撮ったり。

してる間に、ご飯が到着。奥さんが作ってくれているらしい、野菜のカレーとサラダ、ポテサラ、ポテトチップス。このナンみたいな平べったいパン、アラブの国に来た〜って感じる。バックパッカーの時はこればっかり食べてた。安いし持ち運べるし日持ちするから。

ごはんタイムになると、どこからともなく猫ちゃん現る!

ものすんごく人懐っこい。「はい、ちょっと失礼しますねー」といった足取りでたーちゃんの膝にヒョイヒョイ、すりすり。

クンクン、いろんな皿を嗅ぎ回り、「これはイケそう」と判断したポテサラをペロン。

舌に合ったのか、ばくばくバクバク、ものすごい勢いで食べ尽くす。お茶のおかわりを持ってきてくれた奥さんが、シッシと追いやった頃にはもうお皿は空っぽ!満腹の様子で優雅に去っていきました。

ニンゲンの我々もたっぷり食べて、お腹いっぱい。いよいよツアーに出発です。

白砂漠ツアーの体験記|黒砂漠

ランクルに乗り換え、なーんもない道を爆走します。モンゴル旅行した時もそうだったけれど、電波もなくて景色も変わらないと、めちゃくちゃ眠くなる。4WDの揺れも気持ちいいんだよね。

最初の目的地はこちら、黒砂漠。名前から想像するほど黒くはない。砂が黒いのではなく、黄色い砂漠に黒い岩がゴロゴロ転がっているという場所です。

昔、近くの山が噴火して、マグマが冷えてこんな岩が作られたのこと。「景色良いから登っておいで〜」とのことで、歩きます。ガイドさんは車待機、ラマダンで体力温存したいのかしら。

じゃん!登頂するとこんな感じ。地球!カラッとしていて気持ちい〜。たーちゃんが「ちっぽけだな〜」とポツリと言って、ハッとする。私と親しくなる人、みんな広大な景色を見ると「ちっぽけだな〜」って言うの。すごい不思議な共通点。

来た道を振り返るとこんな感じ。車があんなにちっちゃく見える。轍がまるで地上絵みたいだね。

隣にもう少しだけ高い山があって、たーちゃんは迷いなく「あっちも登る!」とズンズン進んでいきました。私はめちゃくちゃ体力がないので、見守りつつ大人しく待機。風が吹いて気持ち良い。

ゴールしたたーちゃん。「たーぢゃーん!ど〜お!?気持ちいい〜!?」と絶叫して聞いてみる。大人になるとジェットコースター以外で大声出すことないから爽快感が凄まじい。いま出せる最大限の声を出しても風でかき消されます。

観光客が他に誰一人としていなく、「いま、アフリカの大地に1人でいる」と考えると、ゾクッとします。

白砂漠ツアーの体験記|クリスタルマウンテン

続いて向かうのは「クリスタルマウンテン」。名前の通り、クリスタルがゴロゴロ転がる砂丘です。クリスタルと言ってもクォーツではなく、あるのは方解石と呼ばれる石。

こんな感じの結晶がゴロゴロ転がっている、というか生えている?ここも昔は火山だった、って言ってた気がします。

摘んで引っ張ってみると、パキパキ!と言ってポロポロとれます。「持って帰ってネックレスにでもしてもらいなよ!」とのガイドさん。本当にいいんか?何かにダメって書いてた気がするんだけれども。

写真がないんだけれど、ここのエリアにはクリスタルのほか、真っ赤な石(火山時代の名残?)や、木が長い年月かけて石になったもの(珪化木というらしい)なども落ちてました。超重そうな黒い石なのに、持ってみるとティッシュみたいに軽くて怪力になった気分になった。

おっきいクリスタル発見して嬉しそうなたーちゃん。「これ持って帰る♪ユカチャンにプレゼントする♪」。2000%いらない!!

白砂漠ツアーの体験記|アガバト山

続いて来たのはアガバト山というところ。こんな感じの谷で停車。降りて観光するんかな?と思いきや「車の上に乗って見て!」とのこと。おお、景色いいんかな、と思いヨイショヨイショと登ってみると、「じゃあしっかり掴まっててね!」の掛け声と共になんと発進!そんでこの状態で10分ほど爆走!!最高に気持ち良い!

たどり着いた場所もすごい。かつては海底だったらしい。水がなくなってこんな地形の陸地になってからは、デーツ輸出入ルートとして使われてたとのこと。デーツを運ぶラクダがここ歩くのが大変すぎて、この名前(アガバド=困難)って名前になったんだって。

そういえば、ここは中国人がわらわらで、ガイドさんがウンザリした顔してました。このガイドさん、超親日&けっこうな反中らしく面白い。ガイドさんはベドウィン(遊牧民)の生まれだけれど、彼の4世代前くらいから遊牧はやめて定住し、代々ガイド業をしているとのこと。

そんな家庭に育ったガイドさんは、幼少期から世界中の客を相手にしてきたらしい。その中でも日本人が子供に対してレベチで優しく、写真撮ったりお菓子くれたり遊んでくれたんだって。自身がガイドになってからも、日本人は優しいしうるさくないしファニーだし、大好き!とのこと。「それに対して、なんで中国人はあんなに群れて声が大きくて順番を守らないんだ?」とボヤボヤ。

「中国人が嫌いなの?」と聞いてみたところ、「いや、嫌いとは言えない。だって中国人ったって、めっちゃいろんな人がいる。広すぎて評価できない。ただおれはガイドしたくねえ、NEVER」とのこと。最初は我々日本人に対するサービストークかと思いましたが、それだけではなさそうかも。

さて、さらにもう少し車を走らせるとこの景色!猿の惑!メレンゲみたいな岩がポツポツ生えてます。うーんもうこれはアナザープラネット。

360度この景色。しかしもう夕暮れ間近ですげー疲れて、この写真撮った後くらいにたーちゃんに喧嘩ふっかけてしまった。「綺麗だねえ!ねえ!」と言ってるのに無視され(聞こえなかったらしい)、「なんで聞こえてるのに返事しないの!?」とブチギレ。疲れると怒りやすくなっちゃう。

「ご、ごめん…聞こえなかったんだもん…」「じゃあお詫びに私の似顔絵描いて!ここに!3つ!」。ヘンなキレ方されて狼狽しつつ、描いてくれたたーちゃんでした。理不尽に怒られて切ない顔してる。

白砂漠ツアーの体験記|砂丘

ご機嫌も直り、続いては近隣の砂丘へ。Sand Surf!とのことで、お手製っぽい木のソリに一生懸命脂を塗っているガイドさん。

この木の板に体躯座りになって砂丘を滑ります。小学校の時、お米の袋で雪山をソリで滑ったのを思い出しました。

ここをズズーっと下りてきます。私は道半ばでひっくり返りました。たーちゃんは途中で止まってた。気持ちいんだけれども、登ってくるのが大変すぎる!もうここで一晩眠りたい、そうしないと体力回復できない、と思うほど疲れました。足が普段の5倍の重さ。

ゼエゼエ言いながら戻ったところ、ガイドさんに「もう一回滑ってみろ!」と20回くらい勧められましたが断固拒否。本当に登ってこれなくなるもん。お前がやれよ、と言ってみると「喉乾いてて無理すぎ、死んじゃうと思う」とのこと。ラマダンでしたね、さーせん。

白砂漠ツアーの体験記|キャンプ

砂丘滑りで体力を使い切ったら、本日の宿へと移動です。じゃーん、キャンプ!

私たちのほか、もう1組スイスから来たというご夫婦と子供2人の家族もいらっしゃった。テントは家族ごと、ご飯はみんなで一緒にいただきます。

これが私たちのテント。

厚手の毛布数枚と、寝袋がセットされてます。しかし砂漠の夜は鬼の寒さなので、ウルトラライトダウンと毛糸の靴下を装備して就寝しました。これでポカポカ、朝までぐっすり眠れた。

「ご飯の準備しておくから、サンセットでも楽しんで〜」とのことで、近くをお散歩。遠近感が狂います。

ちなみにトイレはその辺で。どこでもおしっこできる&タバコも吸える環境にたーちゃんはルンルンでした。シャワーは当然なし、歯磨き洗顔はペットボトル。ウェットシート持ってくと何かと便利です。

火を起こしてもらいつつ、みんなでおしゃべり。主にベドウィンであるガイドさんたちの生活やエジプト政治への不満について。話によると、このコロナ禍で、ほとんどずっとお客さんがいなかったとのこと。その間、もちろん政府からの援助は一切なしだったらしい。税金はたっぷり取るのに。

どれだけ苦しいって言っても、この辺りの田舎エリアはカイロから遠いからなんの声も届かない、とのこと。もちろんそれは物理的な距離の問題じゃなくて、地方が冷遇されてるって話だと思うけど。

「民意を示す手立てはないの?」と聞くと、「選挙はあるけど Just Show だよ」。じゃあまた革命起きてほしい?と聞いてみると、それは嫌だって。「だってまたエジプトの治安悪くなったりすれば、観光客が来なくなっちゃう。そうしたらまた観光客がいなくなる。そうなると俺らも終わり。そうなっても誰も助けてくれないんだから、たとえ政治がめちゃくちゃでも革命なんていらん」とのこと。

そんな話を火を囲みながらつらつら1時間。ガイドさんはシーシャもスパー。「大変だけれど、それが人生」。悟りか諦めかわからないけれど、そんなこと言ってフッと笑ってました。

夜も更け、お空を見ると星がびっしり。「今の流れ星だった!…よね?」なんて朧げなのではなく、「あれはどこからどうみても紛うことなき流れ星である」というのをたくさん見た。たーちゃんと世界一周できますように、年収1億になりますように、家族みんなずーっと幸せでいられますように、ベドウィンの人たちも、みーんな幸せでいられますように。

さてお食事が完成したとのことで、いただきます。ゲルのようなでっかいテントにてご飯タイム。このディナーがエジプトで食べたご飯で最も美味しかったです。胡椒の効いた野菜スープ、酸味のある野菜、チャーハン、そして炭火焼きチキン!

これが美味しいのなんのって。砂漠メシっていうシチュエーションを抜きにしても美味しい。体が喜んでるのがよくわかる。私たちもスイス人家族も、疲れ切ってたのかもくもくと食べ切りました。

ふう、お腹いっぱいになりました。電波もないし、あとは星を見るか寝るかしかやることがありません。テントに入って外をボーッと見ていると、ガイドさん2人が火を囲んでました。ベドウィン同士のおしゃべりタイムかと思いきや、スマホゲームに興じる2人。ウケる、そんなもんよね。

「はー、くそッ!」、ゲームしながら退屈そうにボヤく声を聞きながら、就寝です。おやすみなさいー。

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